平和社会委員会


2014 
米軍普天間基地の早期閉鎖・返還と辺野古新基地建設断念を要請する声明

内閣総理大臣  安倍 晋三  殿
沖縄県知事 仲井眞 弘多 殿

「剣を取る者は皆、剣で滅びる。」
(マタイによる福音書26章52節)

沖縄は、古来、琉球王国時代を含むおよそ1000年の歩みの中で、その独自の文化や言語を発展させながら、他国との友好を築き、「万国津梁」を自負する歴史を育んできました。また、「命どぅ宝」という言葉が琉球・沖縄の歴史から生まれたことは、いかにこの土地が命の尊厳を重んじてきたかを現しているといえます。その一つの象徴が沖縄戦で亡くなった24万余の名前を記した平和の礎(沖縄平和祈念公園内)に見ることができます。そこに刻まれた名前は国籍を問わずに記されており、これは世界に類例を見ない特徴であり、いかに沖縄が命を尊ぶ普遍的な精神を表明し、平和を希求しているかが伺えます。

 その沖縄の歴史、文化、思想がある中で、現状は、戦後70年を迎えようとする今なお、米軍事占領が続いているかのように軍事基地から派生する事件・事故(ジェット機・ヘリ墜落、上空からの落下物事故、交通事故、爆音被害、殺人、強姦、強盗、放火など)が繰り返され、基地の強化、新基地建設の強行、そして欠陥機であるオスプレイの強行配備がなされています。例え宜野湾市にある普天間基地が辺野古に移設されても、沖縄に基地がある限り沖縄の苦悩は改善されないのです。何故ならば、米軍基地から派生する事件・事故というのは、基地の外で起きているからです。

国連本部のモニュメントに聖書の言葉が刻まれています。≪主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし/槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず/もはや戦うことを学ばない。≫(イザヤ書2章4節)。これは、戦争の歴史を踏まえて、戦争の悲惨さ、虚しさ、罪を示しています。命を奪う戦争の武器を造るのをやめ、命を育む道具を作りなさい、というこれは神の命令です。今、その神の意思に逆らうかのように、沖縄の人々の命を育む辺野古の海を埋め立て、命を奪う軍事基地に造り替えられようとしています。私たちキリスト者は、その罪を見逃すわけにはいかないのです。

 沖縄は、今なお他国との友好を築く「万国津梁」の思いが魂の奥深くに息づいています。新基地建設を認めては、近隣諸国に対して友好の握手を求めることが遠のいてしまいます。それどころか、新基地という新たな脅威となる威嚇によって再び戦争の道に向かうことが大変懸念されており、「剣を取る者は皆、剣で滅びる」という言葉は、歴史が証明していることであるのです。

 以上のことから、私たち沖縄バプテスト連盟は、同胞の命が危険に晒されている現状、戦争に繋がる新たな軍事基地建設の強行を見て、普天間基地の早期閉鎖・返還と辺野古新基地建設断念を強く要請します。

2014年10月31日(宗教改革記念日)

沖縄バプテスト連盟理事会

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2015
「戦争する国」へと突き進む安保関連法案の撤回を強く求めます!

内閣総理大臣  安倍晋三  様

「剣を取る者は皆、剣で滅びる。」
(聖書:マタイによる福音書26章52節)

政治には二つの役割があるといわれます。一つは国民を飢えさせない。安全な食べ物を食べさせること。もう一つは、絶対に戦争をしないことです。これは憲法の言葉で言い換えれば、「生存と健康に営む権利」(前文、25条)、「恒久平和と戦争放棄」(前文、9条)ということになります。しかし今、日本の政治は、その憲法を形骸化し、生存と健康に営む権利、恒久平和と戦争放棄を脅かす安保関連法案を強行採決しました。戦後70年の節目に「戦争しない国」から「戦争する国」へと舵を切ったということです。集団的自衛権は自国が攻撃を受けていなくても、米国などが海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力し加担していくことです。それは、憲法9条に違反しており、立憲政治の否定を意味します。そこまでして、何故他国の戦争に進んで参加しなければならないのでしょうか。

安倍首相は、安保関連法案を「国家と国民の安全を守り、世界の平和と安全を確かにするものだ」と述べていますが、他国を攻撃すれば、反撃されるのは常識です。在日米軍基地の74%が集中する沖縄は真っ先に標的となり、沖縄がまた「捨て石」にされるということになりかねません。「国民の安全」には沖縄が抜け落ちており、この言葉はまやかしです。また、「世界の平和と安全」という言葉には、米国が言う世界を指しているのであり、“パクス・アメリカーナ”こそ世界の平和であり、それは即ち武力による抑圧、威嚇こそが平和をもたらすという時代遅れの思考があります。この法案の本質は、国民を置き去りにした米国への隷従を誓う安倍政権の証しであることは、我々が言うまでもないことです。

この戦争法とも称される法をつくり、「戦争する国」をつくり上げようとしている安倍政権の罪は非常に重いと言わざるを得ません。聖書には、「剣を取る者は皆、剣で滅びる」とあります。これまでの歴史において、それを無視するかのように戦争をする国々はことごとく滅びています。日本が戦後70年もの間戦争のない国であり続けたのは、まさに憲法9条があるがゆえであり、剣を取らない国であったからではないでしょうか。今からでも遅くはありません。これからも戦後100年、200年という長い歴史を見据えた、戦争しない国づくり、他国と共存、共栄する国、敵をつくるのではなく、友をつくる国づくりのために奮闘されることを願います。

 以上のことから、私たち沖縄バプテスト連盟は、「戦争する国」へと突き進む安保関連法案の撤回を強く求めます。

2015年7月23日

沖縄バプテスト連盟理事会

※沖縄バプテスト連盟は、沖縄県内に所属するキリスト教会で、在籍会員三千人余の団体です。

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2016
米兵による女性への性暴力事件に強く抗議します!

内閣総理大臣  安倍晋三 様
防衛大臣 中谷 元 様
米国大統領 バラク・オバマ様
四軍調整官 ローレンス・ニコルソン様

2016年3月13日、またしても米兵による女性への人権を蹂躙する性暴力事件が起きました。女性に対するこのような行為は、肉体的、精神的苦痛を与えるだけではなく、人間としての尊厳を蹂躙する極めて悪質な犯罪であることは言うまでもありません。沖縄にとってこの事件の意味することをあなた方はどれだけ感じ取っておられますか? 一人の女性の人権蹂躙に留まるものではなく、沖縄の歴史にまた新たな人権蹂躙の傷痕を刻むことになるのです。沖縄の施政権が日本に返還された1972年以降、米軍関係者による刑法犯摘発は2015年末時点で5896件、5815人に上り、このうち女性暴行事件は今年最初に摘発された今回の事件を含めると130件、148人となります。これらの数字を見る時、私たち沖縄住民は、常に暴力に怯えつつ、日常を送らざるを得ない状況があるということです。その根本には、余りにも沖縄に過重な米軍基地が集中していることによって、住民の安全が脅かされ、人権が蹂躙され続けているということです。

去る21日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前で開かれた米兵による女性暴行事件に抗議する「緊急県民抗議集会」には、2500人が集まりました。目標の千人を大きく上回る人々が駆け付けたのです。事件に対する沖縄の人々の怒りが大きいことを示すものであり、日米両政府はこの現状を深刻に受け止めるべきです。性的暴行という犯罪は相手の気持ちを踏みにじり一方的な力でねじ伏せて陵辱する非道行為です。今回の集会では「すべての米軍は沖縄から撤退すること」を求める決議が採択されました。新基地だけでなく全基地撤去を求めたのです。これ以上、軍事基地による人権蹂躙を繰り返すことは決して許されないという沖縄の憤りがそこにあるのです。

 以上のことから、私たち沖縄バプテスト連盟は、米兵による女性への性暴力事件に強く抗議します。

2016年3月28日

沖縄バプテスト連盟理事会

※沖縄バプテスト連盟は、沖縄県内に所属するキリスト教会で、在籍会員三千人余の団体です。

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内閣総理大臣 安倍晋三様

天皇代替わりに関する諸儀式に反対する声明

 沖縄バプテスト連盟は、天皇即位の儀式が、国民主権・政教分離に違反し、戦争への道を再び歩む危険を伴うため、現憲法下にある国民として反対の意を表します。また、「大嘗祭」が天皇を「現人神」とする神道の儀式であるため、信教の自由を保障した憲法に違反すること、そして何よりもキリスト者として信仰によって反対の意を表し、以下その理由を示します。

 第一に、天皇代替わりに伴い、関連した諸儀式が実施されました。現憲法において主権は国民にあり、天皇は国家の象徴として位置づけられたにも関わらず、政府は、天皇を国体と位置付ける明治憲法下にて実施された諸行事を検証することなく実施しました。これは国民主権を侵すものです。

 第二に、天皇制は、人権を侵すものです。天皇家という特定の家系に生まれた者は、他の日本国民に保障された発言の自由・信仰の自由はなく、また皇位継承権も男系とされ、法の下の平等が保証されておらず、人権を侵害された存在となっています。明らかな人権侵害である天皇制を認めることはできません。

 第三に、国民の血税である公金が、天皇代替わりに伴う諸儀式に必要とされる莫大な費用に充てられていますが、天皇制の基本は、神道にあり、その祭祀のために公金が使用されることは政教分離に違反しています。

 第四に、天皇を神格化し、皇民化教育により皇軍の名の下に15年にわたるアジア諸国への侵略の歴史があります。それを、戦後の日本政府が検証することなく天皇制を維持し続けることは、再び戦争への道を歩む危険性をはらむものです。

 最後に、即位後に実施される大嘗祭(2019年11月14・15日)は、宮中祭祀・皇室行事とされていますが、本質的には神道祭祀です。大嘗祭は、天皇の神威を高めるためであり、天皇を「神」とする考えを基本とし、日本の象徴と位置付けられている天皇を神格化するものです。私たちキリスト者は、「あなたは、わたしをおいてほかに神があってはならない。」(出エジプト記20:3)とする聖書の言葉を信仰の基本としています。ですから、天皇を神格化する大嘗祭は、キリスト者としての信仰の立場からは明らかに否定されるべきものです。

 沖縄バプテスト連盟は、上記により、天皇代替わりに関する諸儀式が、憲法違反であること、また戦争への道を再び歩む恐れがあること、大嘗祭がまことの神だけを神とするキリスト者としての信仰に関わるものであることによって、強く反対します。

2020年1月28日

沖縄バプテスト連盟 理事会